新聖堂完成
カトリック下館教会は、おかげさまをもちまして2024年10月14日(月)に献堂式を行う事ができました。皆様のあたたかいご支援・ご協力に心より感謝申し上げます。
献堂宣言― 小石の上に立つ教会 ―
カトリック下館教会
主任司祭 本間 研二
カトリック教会が下館(現筑西市)の地に産声をあげたのは、故クレイグ神父が地域の人々に呼びかけ1950年4月16日にミサを捧げたのが起源と思われる。翌1951年1月には米軍払い下げのプレハブ兵舎の解体資材をもらい受け最初の聖堂建設が始まり、同年8月22日の〝聖母被昇天祭〟の祝日に献堂式が執り行われた。すでに洗礼台帳には2名の受洗者名が記されている。
それから14年後の1965年には前聖堂が建てられ、イエスを囲む食卓として、信徒の祈りと交わりと安らぎの場となってきた。しかし建築から約60年が経ち、雨漏りや壁のひび割れも目立ち始めながらも、その場しのぎの修復で持ちこたえてきた。
そんな折に筑西市から教会に併設する「認定こども園・下館聖母」に対して、老朽化が進んでいるようなので補助金を申請して、建て替えを検討してはどうかとの打診がなされた。さっそく学校法人の理事会で協議したところ可決され、新園舎建設への運びとなった。それに伴い、教会でも新聖堂建設を検討してはどうかという声があがり始めていった。
下館教会は県内に11あるカトリック教会の中では、水戸、土浦につづき3番目に古い歴史を持つ教会だが、信徒数でいえば決して多いほうではない。さらに昨今は高齢化が進み、普通であれば次世代のことを考える余裕などないはずだが、にもかかわらず自分たちだけでなく、未来の信徒たちのためにも新聖堂を建てようと決意し、成し遂げた下館教会の信徒たちの心意気と実行力には、敬意と誇らしさを感ぜずにはいられない。
聖堂ができるまでの3年半、それはコロナウイルスが世界中で蔓延した時期と重なり、街には感染者が増えつづけ、病とストレスに身も心も打ちのめされ、聖堂建設基金の依頼など無謀ではとの思いはあった。
さらに追い打ちを掛けるかのようにロシアとウクライナの戦争が勃発し、建築資材の入手が困難な状況となり、運よく手に入ったとしても以前とは比べ物にならないほど価格が高騰し、建設費用も上昇していった。まさに踏んだり蹴ったりの中での建設期間だったと言える。でもそんな苦難と逆境の中で建った教会だからこそ、多くの人々にイエスのメッセージを伝えることのできる教会になれると思うのだ。
わたしは知っている「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」ことを。(ロマ書5.3-4)
だから「恐れるな、神はいつもあなた方と共にいる」(イザヤ書41.10)
ようやく献堂の日を迎えた聖堂だが、下館教会の信徒の力だけでは建つはずもなく、多くの方々のご尽力があったればこそと、今、強く感じている。
イエスはペトロに「あなたはペトロ。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう」(マタイ16.18)と言われた。
わたしたちは岩のように大きくも強くもない。下館教会は小石の上に建てられた小さな教会に過ぎない。でも紛れもなくイエス・キリストによって建てられた教会なのだ。
この小石の上に立つ教会が、小さな灯となって、この街を、そして人々の心を照らす存在となることができるように信徒一同が心を合わせてイエスの福音を延べ伝えていくことを、ここに宣言する。
喜びと感謝のうちに アーメン